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主に哲学・社会科学の文献紹介ブログ

SOCIAL PSYCHOLOGY

道徳相対主義は道徳的行動を危うくするという研究(Rai, T. S., & Holyoak, K. J. 2013)

今回紹介する論文では、人が道徳絶対主義/道徳相対主義であることは行動や意図にどのような効果を及ぼすのかについて調べられています。 Rai, T. S., & Holyoak, K. J. (2013). Exposure to moral relativism compromises moral behavior. Journal of Experi…

道徳実在論者ほどより寄付をするという研究(Young. Liane., & A.J. Durwin. 2013.)

今までの研究では、道徳が客観的なものであると考える人ほど、異なる道徳的信念を持つ人に不快感を感じるとか*1、道徳実在論は暴力的行為を動機づけるという研究*2 がありました。 そこで今回紹介するのは、道徳が存在すると考える人ほど、寄付する傾向が高…

なぜある道徳的信念は他のものより客観的であると考えられているのか?(Goodwin, G.P., and J.M. Darley. 2012)

今回の紹介する論文は前回の記事の続編。 Goodwin, G. P., & Darley, J. M. (2012). Why are some moral beliefs perceived to be more objective than others? Journal of Experimental Social Psychology 48,, 250–256. 前回、紹介した論文の発見の1つは…

人はどれくらい道徳が客観的であると信じているのか?(Goodwin, G.P., and J.M. Darley. 2008)

道徳が存在するのかしないのかというのはメタ倫理学の問題だけど、道徳が存在するのかしないのかを人がどのように考えているのかについては心理学や実験哲学の問題。今回、紹介する論文は以下のもの、 Goodwin, G.P., and J.M. Darley. 2008. The psychology…